
脳出血の種類が多くて分からないよー!



主な原因は高血圧だけど、出血部位によって症状が変わってくるよ!
ひとつひとつ、確認していこう!
目次
被殻出血について
レンズ核線条体動脈は中大脳動脈から分枝し、レンズ核(被殻+淡蒼球)に血液を送る穿通枝である。被殻出血はレンズ核線条体動脈が破綻して起こることが多く、特に外側枝からの出血が多い。脳出血のなかでも、被殻出血は約40%と最も多いため、レンズ核線条体動脈は別名「脳卒中動脈」と呼ばれる。
被殻出血には、開頭血腫除去術の手術適応があり、
血腫量が31ml以下の場合、内科的治療(保存療法)
血腫量が31ml以上の場合、開頭or内視鏡下血腫除去術(急性期)
定位的or内視鏡下血腫吸引術(亜急性期)
内包後脚には、随意運動の伝導路である皮質脊髄路(錐体路)が通っている。このため、CTにて血腫の分布が内包におよんでいるかいないかを見極めることは、機能予後の推定において重要である。
また、レンズ核線条体動脈はラクナ梗塞の好発部位としても重要視されており、高血圧を既往にもつ患者は被殻出血とラクナ梗塞の両方が起こる可能性がある。このため、ラクナ梗塞の治療として抗血小板薬を投与する場合には、脳出血が続発する危険性が高く厳重な血圧管理が重要となってくる。
被殻出血による症状
主な症状
突然の意識障害
顔面を含む対側片麻痺:錐体路障害で病的反射陽性
痙性麻痺(ただし内包が破壊されたときは弛緩性麻痺)
顔面を含む対側知覚鈍麻
眼症状
水平性共同偏視(病側を向く)
対側同名半盲(視放線障害)
経過
出血量に比例して予後は不良
生命の危機があるものでは手術適応となる