
今日は脳出血について教えてください!



脳出血は出血部位によって色々変わってくるよ!
まずは、脳出血の病態について説明するね!
脳出血の病態
脳の血管が何らかの原因で破綻することで、脳内もしくは脳の周囲に出血を生じる。出血により脳自体が破壊される場合や出血が正常の脳を圧迫することで、様々な症状をきたす。
長期に渡る高血圧によって、脳内を走っている細い血管がダメージを受け、脳出血を生じること(高血圧性脳出血)が多いが、脳動脈瘤、もやもや病、脳動静脈奇形、静脈洞血栓症、脳腫瘍などが原因で出血を生じることもある。
また、肝障害、白血病、抗凝固役の投与など、出血性素因が脳出血の原因となることもある。


脳出血の一般的な症状
顔面を含む運動神経麻痺や感覚障害、構音障害(ろれつ困難)、失語症(言いたいことが上手く言えない『運動性』、聞いた言葉を理解できない『感覚性』)、嚥下障害、めまい、視野障害、注視麻痺、半側空間無視(半分の空間を認識することが出来ない)。
また、脳出血や水頭症によって頭蓋内圧が亢進した場合、頭痛をきたすこともある。(脳梗塞では頭痛の訴えは稀である。)
治療方法


保存療法
脳出血が小さければ、血圧コントロール(目標:収縮期血圧140mmHg未満)や止血薬を投与することで、出血を止めることが出来る。一方、血腫によって正常脳が強く圧迫されたり、頭蓋内の圧力が過度に上昇する可能性がある。また、脳出血が小さくても、脳室内に出血が漏れたり、血腫自体が脳脊髄液の通り道を塞ぎ、水頭症をきたす場合もある。(※水頭症:脳脊髄液の通り道が閉鎖されることや吸収が滞ることで、脳室内に脳脊髄液が過剰にたまる病態。急激に水頭症を生じると、頭蓋内の圧力が上昇し、意識状態が低下する。)
画像診断上、脳出血が大きい、もしくは重症の水頭症を生じている場合で、患者の意識状態が悪い(JCS20以上)時は、外科治療の適応となる。
外科治療
血腫除去術
血腫自体を減量することで、生き残っている正常脳への圧迫を軽減する手術。開頭による方法と神経内視鏡下での手術などの方法がある。


水頭症に対する手術
出血によって脳脊髄液の流れに支障が生じた場合、水頭症をきたすことがある。この場合、頭蓋内圧を適正な圧力に下げるために、脳室内にチューブを留置し、継続的に脳脊髄液を排出させる手術(脳室ドレナージ術)が必要になる。


高血圧以外の原因疾患に対する手術
高血圧以外の出血原因が判明した場合には原因となっている疾患に対する治療も必要となる。

