
脳出血の種類が多くて分からないよー!



主な原因は高血圧だけど、出血部位によって症状が変わってくるよ!
ひとつひとつ、確認していこう!
皮質下出血について
脳表面に分布する皮質枝(前大脳動脈・中脳大脳動脈・後大脳動脈から分枝する細い血管)は、大脳皮質に血液を送っており、皮質下出血はこれらの皮質枝が破綻して起こることが多い。
全脳出血の約10%を占め、症状は出血した部位(葉)によって様々である。皮質下出血は他の脳出血と異なり、非高血圧性のものが過半数存在する。若年者では脳動脈奇形(AVM)、高齢者では脳アミロイドアンギオパチーによるものが多い。
脳表から深さが1cm以上の場合、内科的保存(保存的治療)
脳表から深さが1cm以下の場合、開頭血腫除去術
脳動脈奇形(AVM)とは?
脳の動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接つながり(A-Vシャント)、拡張・蛇行した異常な血管の塊(nidus)がみられる先天性の脳血管異常である。放置すれば破綻して脳出血を引き起こし、二次性のクモ膜下出血をきたしたりする。また、AVMからの脳出血は再出血が多いため、再発の危険が高い場合(出血発作、深部静脈への流出)は、外科的治療を考慮する。
脳アミロイドアンギオパチーとは?
脳表の小・中動脈にアミロイド蛋白が沈着し、血管壁の脆弱化が起こる疾患のこと。沈着が高度になると血管の破綻が生じ、脳表部の出血(皮質下出血)をきたす。高齢者に多くみられ、年齢とともに増加する傾向があるため、高齢者の皮質下出血の原因として重要であり、脳アミロイドアンギオパチーはアルツハイマー型認知症を高確率で合併する。
比較的短時間に出血を繰り返す傾向があるため、高齢者で非高血圧性に皮質下出血や認知症が出現した場合には、脳アミロイドアンギオパチーに注意する必要がある。
皮質下出血における症状
皮質下出血では、出血部位によらず共通しててんかんの症状が後遺症として残す場合も少なくない。皮質下出血は頭頂葉に最も多いが、比較的大きい出血では、病巣が複数(2~3)の脳葉にまたがることもある。
前頭葉
前頭部痛
対側の運動麻痺(上肢に強く、下肢や顔面に軽い片麻痺)
運動性失語(優位半球の障害時)
頭頂葉
こめかみの痛み
対側の感覚障害
Gerstmann症候群(優位半球の障害時)
失読失書
失行
半側空間無視(劣位半球の障害時)
病態失認
側頭葉
耳の中または耳のすぐ前の軽い痛み
視野障害(同名性四分盲または同名性半盲)
感覚性失語(優位半球の障害時)
後頭葉
同側の眼周囲の激しい痛み
視野障害(同名半盲)