虚血性心疾患について

ぴよナース

「虚血性心疾患」ってなんですか?
調べると、狭心症や心筋梗塞が出てくるんですが・・・

あずかん

「狭心症」や「心筋梗塞」と呼ばれる疾患をまとめた表現だよ!
「虚血性心疾患」について患者さんに説明できるように解説するね!

目次

虚血性心疾患とは?

心臓は筋肉の塊であり、常に動き続けている。筋肉が動くためには、酸素と栄養が必要であり、心臓にそれらを送るための血管を「冠動脈」と呼ぶ。その血管が詰まりそうになる、もしくは完全に詰まってしまう状態のことを「虚血性心疾患」という

虚血性心疾患は主に2つに分類される。
「冠動脈」が完全に詰まってしまい、血液が通過しなくなった状態=閉塞(心筋梗塞)
「冠動脈」が詰まりかかって、血液が通過しにくくなった状態=狭窄(狭心症)

心筋梗塞または狭心症の原因には、①加齢 ②家族歴 ③高血圧症 ④糖尿病 ⑤脂質異常症 ⑥喫煙 ⑦肥満 ⑧ストレス などがあり、これらが虚血性心疾患の危険因子となり血管内にプラークが形成される。

虚血性心疾患の症状

狭心症は、心筋への血流が一時的に不足することで起こり、主な症状は、胸の中央部や左胸に感じる圧迫感、締め付けられるような痛み、重苦しさなどがある。これらの症状は、労作時(運動や階段昇降など)や精神的なストレスがかかった際に現れやすく、安静にすることで数分から10分程度で改善する。また、痛みが肩や腕、顎、背中などに放散したり(=放散痛)動悸や息切れ、冷や汗、吐き気などを伴う場合もある。

心筋梗塞は、冠動脈が完全に閉塞するなどして心筋への血流が長時間途絶え、心筋細胞が壊死してしまう重篤な状態で、狭心症よりもはるかに強い胸の痛みが発生する。強い痛みは、20分以上持続し、安静にしても症状は改善せず、脂汗を伴う激しい痛み、呼吸困難、吐き気、めまい、意識障害などが出現する。

虚血性心疾患の分類

労作性狭心症

労作性狭心症は、運動や精神的な興奮など、心臓に負担がかかる状況で胸の痛みや圧迫感が現れるのが特徴である。これは、冠動脈の動脈硬化によって血管が狭くなり、運動などで心臓が必要とする血液量が増加した時に十分な酸素を供給できなくなるために起こる。安静にすると症状が改善する。

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冠攣縮性狭心症

冠攣縮性狭心症は、労作とは関係なく、安静時や夜間に突然冠動脈が痙攣(収縮)して血流が悪くなることが特徴で、特に喫煙や飲酒が誘因となる。典型的な胸痛発作は数分から十数分でおさまるが、再発を繰り返すことがある。

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不安定性狭心症

不安定狭心症は、狭心症の症状や発作に変化があるのが特徴である。具体的には、今まで症状がなかったのに労作で症状が出るようになった、症状の頻度が増えた、軽い労作でも症状が出るようになった、安静時にも症状が出現するようになった、ニトログリセリンの効果が弱くなった、などが挙げられる。これは、冠動脈の狭窄が進行しているか、プラークが不安定になって破裂し、血栓ができやすくなっている状態を示唆しており、急性心筋梗塞へ移行するリスクが高い危険な状態と考えられる。

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急性心筋梗塞(AMI)

急性心筋梗塞は、冠動脈が完全に閉塞し、その先の心筋に血液が流れなくなり、心筋細胞が壊死してしまう非常に重篤な状態である。多くの場合、突然の激しい胸痛や圧迫感、冷や汗、吐き気などの症状が現れ、一刻も早く血流を再開させるための治療が必要である。

治療方法

狭心症では、抗狭心症薬や抗血栓薬を使用した薬物療法を行う。経過を見ながら、再灌流療法を検討していく。
急性心筋梗塞’(AMI)では、初期治療を行いながら迅速な再灌流療法を行うことが重要である。再灌流後は、再発予防として薬物療法を継続することが多い。

薬物療法

抗狭心症薬
・硝酸薬
・Ca拮抗薬
・β遮断薬

抗血栓薬
・抗血小板薬(アスピリンなど)
・抗凝固薬(ヘパリン、ワルファリン)

その他
・ACE阻害薬
・ARB
・HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)

再灌流療法(結構再建術)

血栓溶解療法
・t-PA
・ウロキナーゼ

カテーテル治療
・経皮的冠動脈インターベンション(PCI)

外科的血行再建術
・冠動脈バイパス術(CABG)

参考資料
患者がみえる新しい「病気の教科書」 循環器
病気がみえる vol.2 循環器

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