最近、テレビやネットのニュースで「大西洋のクルーズ船でハンタウイルスっていうのに集団感染した」という話題をよく見かけ、また亡くなった方もいると聞いて、「もしかして日本にも入ってきて、また大変なことになるんじゃ…」「自分や家族は大丈夫かな?」って、すごく心配になりませんか?
でも、大丈夫です!ウイルスの正体や特徴がわかれば、むやみに怖がる必要はありません。この記事を読めば、「なんだ、そういうことか!」とスッキリ安心してもらえるように、現場の看護師が解説していきます。
そもそも「ハンタウイルス」ってどういうこと?
ニュースの核心をまとめると、こういうことなんです。
- ネズミが運んでくるウイルス
- ウイルスを持ったネズミのオシッコやフンが乾いてホコリになり、それを人間が吸い込むことで感染します。
- 「人から人」へは、めったにうつりません
- インフルエンザやコロナウイルスのように、咳やくしゃみで次々に人へ広がる病気ではないんです。
- 船の中でネズミのフンなどが原因になったと考えられます
- クルーズ船という閉ざされた空間で、何らかの理由でネズミのフンなどのホコリを吸い込んでしまった方が感染したとみられています。
現場でよく聞かれる!患者さんの「3つのギモン」
「日本に入ってきて、また大流行しちゃうの?」
あずかん人から人へはうつりにくいので、大流行の心配は少ないですよ!
一番心配なところですよね。でも安心してください。このウイルスは、基本的に「ネズミから人」にしか感染せず、「人から人」への感染は本当に稀です。もし海外で感染した方が日本に帰ってきても、その方から周りの家族や友人にうつることはないんです。なので、日本中で大流行するようなパンデミックにはなりにくいと言われています。
「もし感染しちゃったら、どんな症状が出るの?」



最初はインフルエンザみたいな熱が出て、そのあと急に息苦しくなります。
潜伏期間は1〜5週間ほどで、最初は、突然の発熱・頭痛、悪寒、全身の筋肉痛など、「あれ?インフルエンザかな?」というような症状が出ます。その後、急に息が苦しくなる(呼吸困難、酸素欠乏状態)が特徴です(これをハンタウイルス肺症候群と呼びます)。
「もしもの時の、特効薬やワクチンはあるの?」



ウイルスをやっつける特別なお薬はまだないんですが、病院で全力でサポートします。
残念ながら、「これを飲めば一発で治る!」というお薬やワクチンは今のところありません。でも、もし感染がわかっても、病院では点滴をしたり、酸素をサポートしたり、人工呼吸器を使ったりして、患者さんの体がウイルスに打ち勝つまでしっかりと命を支える治療(対症療法)を行います。
今日からできる「おうちでの対策」や「受診のサイン」
「じゃあ、私たちはどうすればいいの?」って思いますよね。日本に住んでいる限り、普段の生活で過剰に心配する必要はありませんが、以下のことを知っておくと安心です。
- 海外旅行に行くときは「ネズミ」に注意!
南北アメリカ大陸など、このウイルスがいる地域へ旅行する時は、ネズミがたくさんいそうな不衛生な場所や、古い物置などには近づかないようにしましょう。 - 国内でも、お掃除のときは換気とマスクを!
日本国内では別の種類のハンタウイルス(腎症候性出血熱)が過去に見つかったことがあります。古い倉庫やネズミが出そうな場所を掃除する時は、念のため窓を開けてしっかり換気をして、マスクと手袋をつけてホコリを吸い込まないようにしましょうね。 - こんな症状が続いたら病院へ!
海外から帰ってきて1〜5週間くらいの間で、「急に高い熱が出た」「筋肉がすごく痛い」「息が苦しい」という症状が出たら、我慢せずにすぐ病院に連絡してください。「最近、海外に行ってきました」と伝えてもらえると、私たちもすぐに対応できます。



新しいウイルスのニュースを見ると、どうしても不安になっちゃいますよね。でも、正しい知識を持っていれば、落ち着いて行動できます。
過剰に怖らがず、今後のニュースを動向を注視していきましょう。
また海外にお住みの方は、生活環境が日本とは異なるため、なるべくげっ歯類との接触は避け、汚染された場合には適切な処理をおこなってください。