看護問題(#1腰痛がある)
看護診断
急性疼痛
診断指標:疼痛の程度・性質、疼痛時の様子、苦悶様表情、睡眠パターンの変化、痛みに対する対処行動
看護計画
OP(観察項目)
腰痛の部位、程度、持続時間、増悪因子、軽減因子
腰痛との関連を把握することで、原因疾患を推測し適切な看護計画に繋げることが出来る
随伴症状の有無と変化
安楽な姿勢・体位
薬剤の使用状況
薬剤の効果がなければ変更を検討する
治療内容と効果、副作用
画像診断の結果
適切な看護ケアに繋げるために把握する
TP(看護実施項目)
薬剤による疼痛緩和を図る
主に使用される薬剤は、非ステロイド性抗炎症薬、筋弛緩薬、血流改善薬だが、心因性の疼痛の場合は向精神薬が処方されることがある
安楽な体位を工夫し、臥床安静できるようにする
枕やクッションを効果的に使用する
静かに休めるための環境を整える
できる限り脊柱の形が生理的彎曲を維持できる臥床が望ましい
疼痛が軽減している間に日常生活のケアを行うように調整する
腰痛増強時のケアは腰痛を増大させ、その後のケアの拒否に繋がるため
EP(教育項目)
安静の必要性を説明する
理解不足による不適切な行動を予防し、不安を軽減する
服薬管理を指導する
定期内服を行い、疼痛コントロールを行っていく
適切な薬物治療により、炎症の鎮静化が期待できる
痛みを我慢しなくてよいことを説明する
腰痛のセルフコントロールを行うことで、精神面の安定につながる
自助具・補助具・装具の使用方法を説明する
適切な使用により、腰部への負担を軽減し疼痛緩和を図る
患者自身が装着できない場合は、家族へ説明する
腰痛の再発・増悪因子について説明する
再発・増悪を予防するために自己管理について指導し、保存療法へ繋げていく
看護問題(#2腰痛、しびれ、筋力低下に伴う転倒の可能性)
看護診断
身体損傷リスク状態
危険因子:腰痛・筋・骨格・神経の障害、安全対策に関する知識の不足、危険のある生活環境
看護目標
<長期目標>転倒を起こさず過ごすことが出来る
<短期目標>①転倒の原因となる危険性を述べることが出来る ②安全に日常生活を送ることが出来る
看護計画
OP(観察項目)
腰痛の有無、部位、程度
しびれの有無、部位、程度
知覚障害の有無、部位、程度
筋力
ADLや活動の状況
安全な活動を阻害する因子を把握し、リスク軽減のための予防策を講じる
薬剤の使用状況
睡眠薬使用時の転倒や、薬剤の副作用によるふらつきを予想し、予防策を講じる
自助具・補助具・装具の使用状況
良好な状態か、患者に合っているか確認する
適切に使用することで、転倒のリスクを軽減することが出来る
転倒に対する患者の認識、事故回避の行動の有無
リスクに対する自覚の有無を言動から把握し、指導に繋げる
生活環境
生活の場に危険がないか、患者の活動状況を考えながら、患者の目線で周囲をチェックする
在宅退院予定の場合は、家族に自宅の環境調査をしてもらうこともある
TP(看護実施項目)
必要な範囲の移動やセルフケアの介助を行う
患者の自立心や自尊心を低下させないように配慮し、転倒防止の視点で援助を行う
療養環境の整備
床面の整備、ベッドの高さの調整、ベッド柵の設置、夜間照明、ポータブルトイレの設置、障害物の除去など
障害の内容や程度に応じて、自助具・補助具・装具の準備をする
リハビリテーションをすすめるための援助を行う
リハビリテーションにより症状と運動能力を改善し、転倒のリスクを軽減することが出来る
EP(教育項目)
転倒のリスクの原因と今後の見通しを説明する
日常生活上にどのような危険があるかを理解できるように説明する
事故の起こりやすい場所と場面を説明し、具体策を指導する
危険性を認識して行動することが出来れば、転倒のリスクが軽減する
転倒防止のための手すりなどの設置や、滑りにくい靴の使用を提案する
許可された範囲の活動内容を説明する
自己判断での離床や活動範囲の拡大は事故の原因となる
適切な自助具・補助具・装具の使用方法や管理方法を説明する
間違った自助具・補助具・装具の使い方は転倒や身体損傷のリスクとなる
不安があれば援助を求めてよいことを説明する
転倒による身体損傷を受けると治療期間が延びるだけではなく、恐怖心から活動範囲の縮小に繋がるため、安心して活動できるように必要な援助を行う

・腰痛と随伴症状が緩和、軽減しているか
・腰痛を誘発、増悪させる因子について理解し、予防行動ができているか
・薬剤を適切に用いて疼痛をコントロールできているか
・患者・家族が心理的・身体的安楽が増大したことを表現しているか
など、看護実施後、評価を行い適宜計画の修正をしていってください。