最近、球団マスコットの中の人がお亡くなりになってしたったという衝撃的なニュースがありました。
体調不良による長期休暇となっていましたが、本当に突然で現実が受け止めきれません。
そんな彼を襲った病、「肺高血圧症」について紹介します。
肺高血圧症とは?
肺高血圧症とは、肺動脈圧が何らかの原因で高くなり、心臓に常に負担がかかってしまう状態です。
まず、血液の流れ方を確認していきます。①全身から血液が右心房・右心室に戻ってくる。②右心室から送り出された血液が肺動脈を通って肺へ向かう。③肺の中の肺毛細血管でガス交換を行う。④肺静脈を通って左心房・左心室へ戻ってくる。⑤左心室から全身へ血液を送り出す。 このような順路で血液が絶えず全身をめぐっています。
そして今回の肺高血圧症は、②右心室から送り出された血液が肺動脈を通って肺へ向かう。の肺動脈圧が高くなっていたのです。
肺高血圧症だと、どうなるの?
みなさんは、ホースで水やりをやったことはありますか?普段は円状の筒で水の量は蛇口で調整しています。ですが、水の出る部分を指で挟み圧をかけると、水の量はそのままで出る勢いは増しませんか?
これを心臓に置き換えてみましょう。水=血液、蛇口=右心室(肺へ血液を送る)、ホース=肺動脈、と考えてみてください。水(血液)が必要最低限しか出ない位にホース(肺動脈)に圧をかけ続けと、いずれは蛇口(右心室)が壊れてしまいます。
蛇口(右心室)が壊れる=右心不全という病気となってしまいます。右心不全とは悪化と回復を繰り返しながら徐々に進行する病気であり、完治することはありません。また、5年生存率は約50%となっています。
自覚症状として、労作時の呼吸困難・易疲労性・失神などがあります。また、身体症状として、頸静脈の怒張・肝腫大・腹水・下腿浮腫などがあげられます。
肺高血圧症はなぜなるの?
肺高血圧症の原因は大きく5つあります。
①肺動脈性肺高血圧症
②左心性心疾患に伴う肺高血圧症
③肺疾患や低酸素血症による肺高血圧症
④慢性血栓塞栓性肺高血圧症
⑤原因不明の複合的要因による肺高血圧症
しかし、いずれの場合も発症原因は解明されておらず、「肺高血圧症」は難病指定されており、今現在も原因解明および有効な治療法の研究開発が進められています。