【疑問】委員会の仕事って看護業務ですか?

【実録】「手抜きができない」がために陥った罠

「委員会や係の仕事、看護研究……ただでさえ日々の業務で精一杯なのに、どうしてこんなにやることが多いの!?」と、パソコンの前で頭を抱えていませんか?

お疲れ様です。地方の地域密着型病院で働く、中堅パート看護師です。
実は今の私、パートなのに人手不足の煽りを受けて「看護研究委員」に配属されています。評価されるわけでも給料が上がるわけでもない、いわば看護部の自己満足とも言える研究。「業務改善って言うなら、まずこの不必要な委員会をなくしてよ!」と心の中で毒づきながら、同じパート仲間と勤務時間内だけで細々と進めています。残業も持ち帰りも、絶対にしません。

でも、私がここまで「割り切れる」ようになったのは、委員会や研究の仕事を抱え込みすぎて、取り返しのつかない失敗(インシデント)を起こしかけた同期を見ていたからです。
今回は、完璧主義で断りきれない新人ナースだった同期が陥った「本末転倒な失敗」と、そこから学んだ業務管理のコツをお話しします。

「手抜き」が出来なかった同期の失敗

あれは2年目になったばかりの頃。私の同期は、病棟の看護研究のデータ収集とある委員会の係を任されていました。
「選ばれたからには、ちゃんとやらなきゃ」。手抜きができない性格だった彼女は、文献検索からデータ入力まで完璧を目指して必死に取り組んでいました。

日中の業務中は患者さんのケアで手一杯。結局、記録が終わった後の18時過ぎから委員会の仕事に取り掛かり、終わらなくて休日に家へ持ち帰る日々。毎日が寝不足で、心身ともにボロボロだったと後から聞きました。

そんなある日の日勤。彼女の頭の中は「今日の夕方までにあのデータをまとめなきゃ」という焦りでいっぱいだったそうです。
その結果、目の前の患者さんの「ちょっと息苦しいかも」という小さな訴えを、「後でバイタル測りますね」と後回しにしてしまったのです。

数時間後、その患者さんはSpO2が80%台まで低下し、急変一歩手前の状態に。発見した先輩から、「あなた、今何が一番大事か分かってるの!? 委員会の仕事で頭がいっぱいになって、患者さんを見てないじゃない!」と激怒されました。

先輩の冷たい視線と、「自分のせいで患者さんを危険に晒した」という冷や汗。ナースステーションの隅で、情けなさと申し訳なさで泣き崩れたあの日のことは、今でも忘れられないと同期は語っていました。


なぜ、あのミスは起きたのか?

あの時、当時の同期に決定的に欠けていたのは、「業務の優先順位づけ」と「他者に頼る(SOSを出す)スキル」でした。

・「看護の目的」を見失っていた
看護師の本来の仕事は、目の前の患者さんの命と生活を守ることです。委員会や看護研究は、あくまでその質を向上させるための「+α」の業務に過ぎません。しかし当時の彼女は、期日が迫る委員会の仕事に気を取られ、優先順位のトップが「データ収集」にすり替わっていました。完全な本末転倒です。

・「完璧主義」という名の自己満足
「手抜きができない」というのは聞こえはいいですが、裏を返せば「要領が悪い」ということ。すべてを100点でこなそうとしてキャパオーバーになり、一番大切な患者さんの観察(アセスメント)の質を落としてしまいました。

今の中堅としての視点から言えば、「勤務時間外に持ち越してまでやるべき委員会業務など、この世に存在しない」と断言できます。

明日から使える!同じ轍を踏まないための対策

もし今、あなたが係の仕事や研究で押し潰されそうになっているなら、明日から以下の3つを実践してください。

① 「今日やらないこと」を決める(線引きの徹底)
「勤務時間内に終わらない委員会業務は、やらない」と腹を括ってください。残業してまで完璧な資料を作る必要はありません。「今日は16時から30分だけ研究のデータをまとめる。そこまでで切り上げる」と、時間で区切る習慣をつけましょう。

② 60点の出来で、こまめに先輩に投げる
一人で抱え込んで100点のものを出そうとするから苦しくなります。「とりあえず構成だけ作ってみたんですが、方向性合ってますか?」と、60点の段階で先輩やリーダーに相談してください。軌道修正が早ければ早いほど、結果的に自分の作業時間は減ります。

③ 「SOS」の定型文を持っておく
業務過多で患者さんのケアに支障が出そうになったら、躊躇なくヘルプを出してください。
「現在、〇〇の係の仕事と重症患者さんのケアが重なっており、このままではケアの質が落ちて(インシデントに繋がって)しまう懸念があります。業務の分担についてご相談させてください」
医療安全の観点を交えて伝えれば、師長やリーダーも必ず動いてくれます。

先輩からのエール

「断ったら評価が下がるかも」「先輩に呆れられるかも」……そんなふうに怯えて、身を削って頑張っている新人さん、本当にお疲れ様です。

でもね、冷たい言い方かもしれませんが、私たちが身を削って作った看護研究のデータが、給料アップや他部署の大幅な業務改善に直結することはほぼありません(笑)。だからこそ、そこにあなたの健康や「患者さんと向き合う時間」を犠牲にする必要は全くないのです。

今の私は、「いかに勤務時間内に、そこそこのクオリティで終わらせるか」に全力を注いでいます。
一番大切なのは、あなたが心身ともに健康で、明日も笑顔でナース服を着られること。委員会なんて「ほどほど」で大丈夫。目の前の患者さんとの時間を、何よりも大切にしてくださいね。


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