浮腫に対する看護

あずかん

この記事では、浮腫の看護について説明しています。
看護実習や看護現場での参考にしてみてください。

目次

看護問題(#1浮腫がある)

看護診断

体液過剰
診断指標:浮腫、呼吸複雑音、短期間での体重増加、摂取量が排泄量よりも多い

看護目標

<長期目標> 浮腫がなくなる
<短期目標> ①水分摂取量と排泄量のバランスがとれている ②浮腫による苦痛症状が軽減する ③倦怠感、脱力感がない ④浮腫による二次障害が起こらない ⑤浮腫による不安が軽減する

看護計画

OP(観察項目)

浮腫の部位
浮腫の推移をアセスメントする

浮腫の程度

浮腫に伴う四肢の屈曲、把持の困難
浮腫による日常生活への影響を把握する

食事量、飲水量、輸液量と尿量、体重
水分水納を評価する

治療内容とその効果・副作用

随伴症状の有無やその変化(倦怠感、呼吸困難、食欲低下、末梢の冷感など)
全身状態、浮腫による苦痛症状を把握する

検査結果(新機能、腎機能、肝機能、総たんぱく、アルブミン、胸部X線)

皮膚の損傷の有無
浮腫の部位の褥瘡、感染を未然に防ぐ

TP(看護実施項目)

安静を保持する
運動は酸素消費量やエネルギー消費量を増やし、心臓の負担も増やす。たんぱく代謝産物の増加は、心臓・腎臓の負担を増大させ浮腫を増強させる。運動による腎血流量の減少は、アルドステロンの分泌が亢進し、尿細管での水やナトリウムの再吸収を促し、尿量減少に至り、浮腫を増強させる

安楽な体位を工夫する
腹水、胸水などがある時は、枕や布団、オーバーテーブルの使用、ファーラー位や起座位などの体位などで肺の換気面積、横隔膜の運動面積を増大させる
末梢部位に浮腫がある場合は、その部位を挙上させる

保温する(服・寝具の調整、罨法)
皮膚血管を拡張させ循環をよくする。

浮腫を正確に把握するための援助を行う(体重、腹囲、上肢・下肢などの計測、食事・飲水量の記録用紙の準備)

指示された内服薬を管理する(特に利尿薬)
頻繁な排尿で睡眠不足に陥らないように利尿薬の使用時間を判断する。

活動性の低下による危険を防止するため環境の調整をする
ベッド周囲の環境を整えて、転倒の予防を行う。

栄養状態を管理する(塩分制限、水分制限、たんぱく質の補給あるいは制限、エネルギーの補給)
塩分・水分は原因にかかわらず、水とナトリウムの排泄が障害されているので制限する。
血漿タンパクの減少は、血漿膠質浸透圧を低下させ浮腫を増強させる。急性腎炎の場合は、たんぱく分解産物の排泄が障害されるため、たんぱく質を制限する
エネルギー不足は、体たんぱくの崩壊を起こし、たんぱく代謝産物を増加させ腎臓に負担をかける。

排便コントロール状況に合わせて調整(消化の良いもの、発行しにくい食品)する

不安への援助を行う
精神的苦痛は代謝を亢進させるため、不安なことが表出できるような雰囲気や環境を提供する。

EP(教育項目)

現状や治療内容などを分かりやすい言葉で説明する
患者自身が浮腫を予防、軽減する方法を身に着けられるように援助する。

浮腫を予防する生活習慣について説明する
①原因疾患の治療の継続とその管理の必要性 ②安静や食事療法の必要性
③心身の疲労を軽減する生活の必要性 ④マッサージなどのセルフケアについて

身体的苦痛や不安の増強などがある場合には、我慢せず話すように説明する

看護問題(#2感染を起こす可能性がある)

看護診断

感染リスク状態
危険因子:栄養失調、皮膚統合性の変化、体液のうっ滞、病原体との接触回避についての知識不足

看護目標

<長期目標>感染を起こさない
<短期目標>①38℃以上の熱が出ない ②清潔が保てる ③感染経路について説明できる

看護計画

OP(観察項目)

体温、脈拍、呼吸状態
感染徴候の把握をする。

倦怠感や疲労感

皮膚・粘液の損傷の有無、程度

外傷、褥瘡の有無、程度

カテーテルや点滴刺入部の状態

栄養状態(総たんぱく、アルブミン、体重減少、BMI)
免疫力の評価となる。

検査データ(WBC、CRP)
感染や炎症の兆候を把握する。

TP(看護実施項目)

全身の清潔ケアを行う
カテーテル挿入部位の消毒、皮膚・粘膜の清潔保持など状態に合わせて行う

皮膚の擦過傷、打撲傷、外傷を予防する
寝衣や寝具の選択、爪の手入れなどを行う。
浮腫の部位への注射は避ける

栄養状態改善への援助をする

環境を調整する
温度・湿度の調整、換気など。

感染症を予防する
医療者・面会者の手洗いの徹底
院外で感染症が流行っている場合は、面会者の制限を行う

EP(教育項目)

患者・家族に感染症の原因、危険性、伝染性について指導する
患者自らが感染症を予防する行動を起こせるようにする必要があるため。

感染予防における清潔や栄養補給の重要性を説明する

患者・家族に感染の徴候と症状を指導し、それらが見られた場合はすぐに報告するように説明する

面会者には患者に合う前に手洗いをするように説明する

あずかん

・浮腫が軽減しているか
・浮腫に伴う苦痛が軽減しているか
・褥瘡や感染症のリスクを回避できているか

など、看護実施後、評価を行い適宜計画の修正をしていってください。

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