便秘に対する看護

あずかん

この記事では、便秘の看護について説明しています。
看護実習や看護現場での参考にしてみてください。

目次

看護問題(#1便秘によって腹部に違和感がある)

看護診断

便秘
関連因子:蠕動の低下、疾患、手術、薬剤
診断指標:腹痛、排便パターンの変化、排便回数や量の減少、腹部の膨隆

看護目標

<長期目標> 規則的な排便がある
<短期目標> ①規則正しい排便習慣の必要性が理解できる ②活動量が増える

看護計画

OP(観察項目)

排便回数、排便方法、便の量、性状


腹部の膨満感の有無
腸管内に便やガスが貯留すると腸管壁の伸展が起こるため

腹鳴、排ガスの有無
イレウスの所見があれば、腸蠕動活動の減弱化により少なくなるため

食欲の有無

食事内容
腸を刺激する食物が摂れているか
食物繊維、ヨーグルト、蜂蜜、牛乳、冷たいor熱い飲み物

水分摂取量
水分量が少ないと便が硬くなり、多いとやわらかくなるため

下剤の内服の有無と効果

日中の活動度

腸蠕動音の聴取

下剤に対する知識の有無

不安、ストレスの有無

TP(看護実施項目)

毎日一定の時間に排便を試みる
排便習慣が身につくように、できるだけトイレ誘導や声掛けを行う

排便がない時は便秘時の指示を使用する

下剤の調整を指導する

腹部マッサージ・温罨法を実施する
「の」の字を書くように、上行結腸→横行結腸→下行結腸の順に行う

水分摂取を勧める

日中の活動量を増やす
なるべく離床や無理のない活動量アップを図る。寝たきりの患者さんであれば、車いすに座るなどでもよい

EP(教育項目)

便秘予防の必要性について説明する

腹部マッサージの方法を指導し、実施を促す

水分摂取の必要性や排便を促す食事内容について説明する

医師の指示の基づく下剤の使用方法を指導する

便意があれば教えるように指導する
薬に頼らない方法で日常生活から排便習慣を確立させるために、排便を我慢させないようなかかわりを心掛ける

看護問題(#2便秘による食欲不振で、栄養状態が低下している)

看護診断

栄養摂取消費バランス異常(必要量以下)
関連因子:悪心、食欲低下
診断指標:食物摂取量が1日当たりの推奨量より少ない、毛細血管の脆弱、蒼白の粘膜、咀嚼・嚥下に使う筋力の低下

看護目標

<長期目標> 栄養状態が改善する
<短期目標> ①血液検査結果が改善する(総TP、Albが基準値内になる) ②食物摂取量が増える

看護計画

看護計画 OP(観察項目)

体重
悪心・嘔吐の有無
食欲の有無、食事水分摂取量の程度

粘膜の色調、出血のしやすさ
浮腫の有無

栄養低下を伴う便秘の場合代謝機能の低下をもたらす他の疾患が関与している可能性がある
腹部の状態だけではなく、浮腫、腹水、胸水、貧血の状態も観察する

活気、機嫌、表情

血液検査データ(総TP、Alb)

TP(看護実施項目)

輸液を実施する場合は、指示された量を投与する
心不全によるうっ血で便秘を引き起こしている可能性もある
この場合、水分の過剰投与は心不全の症状を悪化させるため、輸液管理は正確に行う

許可された範囲で、消化の良い食べ物を少量から開始する
食後1~2時間後に腸蠕動音を確認し、回復状況に応じて食事形態を医師と検討する

粘膜・毛細血管の脆弱性がみられる場合は、刺激の強い食べ物を避け、食後の口腔ケアも丁寧に行う

EP(教育項目)

無理して食べないように指導する

栄養摂取と排便を促進するための食事内容について患者・家族に指導する

口腔ケアの方法と実施の重要性を指導する

あずかん

・排便に関する違和感(すっきりしない、お腹が張る、悪心など)が軽減したか
・排便の回数・性状・量は安定しているか
・栄養状態が改善しているか
・患者・家族が生活習慣に関する適切な情報を理解し、実施できているか

など、看護実施後、評価を行い適宜計画の修正をしていってください。

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