脳出血の観察項目とアセスメントの根拠を徹底解説!

脳卒中でも特に緊急性の高い脳出血。患者さんの予後を左右する急性期には、的確な観察とアセスメントが不可欠です。この記事では、脳出血の患者さんを受け持つ際に「どこを」「なぜ」観察するべきなのか、その根拠と合わせて詳しく解説します。
目次
脳出血とは? なぜ観察が重要なのか
脳出血は、脳の血管が破れて脳実質内に出血する疾患です。出血によって形成された血腫が周囲の脳組織を圧迫・破壊し、さまざまな神経症状を引き起こします。さらに、出血は脳浮腫を増悪させ、頭蓋内圧を亢進させることで、生命を脅かす「脳ヘルニア」に至る危険性があります。
急性期の看護では、これらの刻一刻と変化する病態をいち早く察知し、重篤な状態への移行を防ぐことが最も重要です。そのためには、これから挙げる観察項目を、その根拠と共に理解しておく必要があります。
脳出血の重要観察項目とアセスメントの根拠
観察項目分類 | 具体的な観察項目 | 根拠・アセスメントのポイント |
---|---|---|
バイタルサイン | 血圧 | 再出血のリスク評価 厳密な降圧管理が行われるが、過度な降圧は脳虚血を招くため、指示された範囲内での維持が重要。 |
脈拍・呼吸 | 頭蓋内圧亢進のサイン(クッシング現象) 「血圧上昇」「徐脈」「呼吸数低下」は脳ヘルニアが切迫している危険な兆候。チェーンストークス呼吸などの異常呼吸にも注意。 | |
体温 | 脳浮腫増悪のリスク評価 視床下部の障害による中枢性発熱は、脳の代謝を亢進させ脳浮腫を悪化させるため、早期の冷却介入が必要。 | |
意識レベル | JCS、GCS | 頭蓋内圧亢進の最も重要な指標 意識レベルのわずかな低下(例: JCS 1桁→2桁)が、脳幹圧迫の初期兆候であるため、継続的な評価が不可欠。 |
傾眠傾向、見当識障害 | 意識レベル低下の初期徴候 「いつもよりボーっとしている」「反応が鈍い」といった質的な変化も重要な情報。 | |
神経学的所見 | 瞳孔径、左右差、対光反射 | 脳ヘルニアのサイン 片側の瞳孔散大や対光反射の消失は、動眼神経の圧迫を示唆する緊急性の高い所見。 |
四肢の運動麻痺(MMTなど) | 出血部位と血腫増大の評価 麻痺の程度や範囲の変化は、血腫による神経圧迫の進行を示唆する。 | |
感覚障害、言語障害(構音障害・失語症) | 出血部位の特定 出現している症状から、脳のどの領域が障害されているかを推測する手がかりとなる。 | |
頭痛、悪心・嘔吐 | 頭蓋内圧亢進の典型的症状 症状の増悪は血腫の増大や、くも膜下出血の合併を示唆する場合があるため、特に注意が必要。 |